周辺の小物たち.1

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『セイコーダイバーズプロフェショナル・チタンモデル』

腕時計を、単なる装飾品として身に付けている人も少なくないのではないか。しかし、正確に時を刻み、水や衝撃に強い腕時計は、釣り人にとって欠かすことのできない大切な道具のひとつである。耐水圧10気圧以上、頑丈なベゼルに包まれたダイバーズウォッチなら、荒磯に立ち向かうヒラスズキゲームでも安心して使用することができる。

1980年代、ぼくは伊豆半島にヒラスズキを追いつづけた。豊かな暮らしがあったわけではない。最低限のタックルを携え、最低限のルアーを購入し、年間6万kmを走るためのガソリン代を支払えば、当然財布の中はいつも空っぽ。欲しい腕時計を購入するゆとりなどあろうハズがない。

当時憧れていたのが、セイコー社のダイバーズ・ウォッチ。丁度、初期の「自動巻き」から、電池内蔵の「クオーツ」に切り替わった頃だったと記憶している。そのクオーツ式のダイバーズウォッチがとっても欲しかったのである。

価格は、ノーマルタイプが3万数千円。さらに高価な、プロフェッショナルモデルもあった。カタログを眺めては、ため息をついたものである。

長年憧れつづけた時計をようやく手に入れたのは、1980年代終盤に出かけたシンガポールの免税店。何かお買い得な物はないかと物色していたときに、憧れの時計が目に飛び込んできたのだった。交渉の末、1万4千円程度で購入したものの、ホテルの部屋で箱から出してみれば、予想外の自動巻き。かつての憧れを目の前にして、大いに落胆した。

後日、そんな失敗談を、取材釣行の折に先輩磯釣り師の鵜澤政則さんに打ち明けた。すると、「それなら俺のダイバーズを安く譲ってやるよ」と差し出してくれたのが、この腕時計である。確か、1万8千円程で譲っていただいたのではなかったか。

以来15年以上、数度の電池交換を繰り返しつつ今だ愛用しつづけている。

この時計の特徴は、チタン製で重量がわずか84gと軽いこと。耐水圧は20気圧。お気に入りゆえ、まだまだ末永く付き合ってゆくつもりである。

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