蔵出しエッセイ⑦

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<虫よけ対策>

  虫よけスプレーは、陸っぱり釣り師の必需品である。

 ぼくがまだ学生だったころには、「海外のアウトドアマンたちは日本の『蚊取り線香』を愛用している。中でも『金鳥』ブランドが人気で、山中へ分け入るときには、腰にぶら下げるタイプの金属ホルダーに入れて持ち歩いているほどだ」などといった話がまことしやかに語られていた。

 また、「アラスカあたりのアウトドアショップで売られている『ジャングルジュース』という虫よけは、日本国内では販売許可がおりないほど強力でよく効くのだよ」などと力説する先輩も数多くいた。

 現在では、日本国内で販売されている虫よけの種類も豊富で、電池を使用するタイプなども含め、サテ今回はどれを使用してみようか、などと迷ってしまうほどである。

 決定打は……となれば、いまだ「これです」と言い切れるような製品に行きついていないのが正直なところで、暗中模索の只中をさまよい続けている。 特に、地磯における虫対策は多くの釣り人が切望するところで、悩みの種は、朝夕(夜間も含め)の蚊と、日中のブヨ。

 先日、ゴルフ好きの友人から、キャディさんたちはゴルフ場での虫対策として『ハッカ油』を使用していると聞き、早速試してみることにした。

 薬局で『ハッカ油』を購入し、水で50倍ほどに希釈したものをスプレーボトルに入れ、虫よけスプレーとして使用してみると、スースーして心地よい。虫よけ効果については試用中でまだ何とも言えないが、顔の周りに吹きかけるときのアノ嫌な匂いに悩まされずに済むのがありがたい。

 希釈の割合をどの程度にしたらよいか。「消毒用エタノール」を入れるとよい、という説や、「ミョウバン」を入れるとよい、といった説など、試してみなければならぬことが幾多ある。

  世の中には虫対策に頭を悩ませている人がたくさんいる、という証だろう。

  ともあれ虫対策のコツは、多少暑くても長そでシャツを着用し、衣服に薬液を染み込ませるつもりでたっぷりかけてやることに尽きる。ゆえに、安全性の高い『ハッカ油』はありがたいのだ。

  そろそろ、夜の河川内で良型シーバスが釣れ出す時期である。

  <初出:2011年8月>

 

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